特集 外来でよく見る子どもの皮膚疾患―臨床写真で覚える!
肛門周囲膿瘍・乳児痔瘻
肛門周囲膿瘍・乳児痔瘻
柳田 佳嗣
1
,
石丸 哲也
1
YANAGIDA Yoshitsugu
1
,
ISHIMARU Tetsuya
1
1埼玉県立小児医療センター外科
pp.1418-1421
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000358
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
原 因
肛門周囲膿瘍・痔瘻は,小児の日常診療においてしばしば遭遇する疾患である。肛門周囲膿瘍は,おむつかぶれなどの肛門周囲皮膚炎から発症する毛囊炎や,歯状線に存在する肛門陰窩への細菌感染を契機として,炎症が腸管から肛門周囲の皮下へと波及し膿瘍を形成するものである1,2)。炎症が進行して膿瘍が自壊する,もしくは外科的に切開排膿することによって皮膚に開口し,炎症が落ち着いた後も滲出が持続して瘻孔が残存するものを痔瘻とよぶ。痔瘻の場合,肛門陰窩を一次孔,皮膚開口部を二次孔とよんでおり,一次孔と二次孔の間の皮下に瘻管が索状物として触れることが多い(図1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.