父親が手伝ってくれないときはどうしたらよい？

はじめに

　「イクメン」が2010年新語・流行語大賞に選ばれ，10年以上経過した。確かに，街で子どもを抱っこしている男性や，保育所の送迎を行う父親を目にする機会は増えたように思う。しかしながら，日本では，いまだ家事・育児に携わる時間の男女格差が諸外国に比べ非常に大きい。男女共同参画白書平成30年版の「乳幼児のいる家庭の家事・育児時間の男女比の国際比較」^1）によると，欧米諸国において，女性のほうが男性より家事・育児に携わる時間が多いものの，その差はおおよそ2倍前後にとどまっているが，日本では5倍以上となっている。これは妻の就業状況にかかわらずいえることで，背景に長時間労働により男性が家事・育児に時間を割けない現状が見受けられる。それと同時に，わが国には「男は仕事」というジェンダー観が古くからあり，男性が家庭より仕事を優先する価値観が，社会にも，また本人にもいまだ残っていることもいえるだろう。