特集 気管支喘息のガイドラインを実臨床に生かす―こんなときどうする?
総論
患者教育,吸入指導
宮地 裕美子
1
MIYAJI Yumiko
1
1国立成育医療研究センターアレルギーセンター総合アレルギー科
pp.729-733
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000157
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はじめに
医学の進歩とともに生物学的製剤を含む数多くの治療薬が開発され,エビデンスの確立に伴って気管支喘息のガイドラインも充実し,喘息の急性増悪(発作)による時間外外来受診数や入院数の減少,喘息死がほぼなくなるなど,気管支喘息の治療は近年目覚ましい発展を遂げているといえる。しかし一方で,自身の身近な通院患者に目を向けると,まだまだコントロール不良で悩む患者も少なくないだろう。たとえ治療薬やガイドラインが進歩し医師が適切な処方や指示を出しても,患者側が受け入れて実行しなければ期待どおりの効果は得られない現状を日々感じる医療従事者も多いと思われる。患児や保護者に治療の必要性を理解させ,主体的に自己管理できるよううまく導くような患者教育が必要である。本稿では患者教育・吸入指導の概要を述べる。
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