特集 おさえておきたい! 胎児・新生児の超音波検査
新生児の超音波検査:脊椎
仙尾部病変(先天性皮膚洞など)
石崎 竜司
1
ISHIZAKI Ryuji
1
1静岡県立こども病院脳神経外科
pp.1298-1302
発行日 2025年10月10日
Published Date 2025/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002337
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はじめに
新生児の仙尾部病変として注意すべきものは二分脊椎であり,顕在性と潜在性に分けられる。顕在性二分脊椎である脊髄髄膜瘤については,Chiari奇形や水頭症を合併することがあるために,胎児期の超音波検査によって発見され,胎児期MRIで診断を行って出生前からの対応が可能となってきている。出生後でも外表上で判断が可能ある(図1)。これに対して潜在性二分脊椎は,外表上の凹み(dimple),膨隆,表皮欠損や色素沈着などのいわゆる「告げ口徴候」を認めることがある(図2)が,新生児期に下肢症状や膀胱直腸障害をきたすことは稀なため,病変を否定するために超音波検査を行い,病変を疑った場合はMRIによる精査を行う必要がある。

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