特集 周産期の薬物療法 update 2025 新生児編
〈コラム〉人乳由来母乳強化剤
宮沢 篤生
1
,
水野 克己
1
MIYAZAWA Tokuo
1
,
MIZUNO Katsumi
1
1昭和医科大学医学部小児科学講座
pp.1145-1147
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002302
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早産児および極低出生体重児に対する適切な栄養管理は,児の身体的成長ならびに神経学的発達においてきわめて重要な課題である。日本小児科学会ならびに関連学会が2019年に発表した「早産・極低出生体重児の経腸栄養に関する提言」1)では,これらの児にとって最良の栄養源は母親自身の母乳(自母乳)であり,自母乳が得られない,または十分に供給できない場合には,適切に管理された母乳バンクのドナーミルクの使用が推奨されている。2017年には日本母乳バンク協会が設立され,現在では日本国内の多くの新生児集中治療室(NICU)でドナーミルクの使用が可能となりつつあり,母乳を基盤とした経腸栄養管理の重要性が改めて認識されている。

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