綜説
SGA性低身長症アップデート
小山 さとみ
1
1獨協医科大学埼玉医療センター小児科
pp.607-614
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003486
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Small for gestational age(SGA)で出生した児の約90%は出生後キャッチアップがみられ正常身長範囲内に到達するが,キャッチアップのみられなかった児は低身長のままとなりSGA性低身長症として成長ホルモン(GH)治療が可能となる.GH治療によって身長SDは約+1 SD改善するものの,成人身長が-2 SDに到達しない場合もある.GH治療中には体組成は改善するにもかかわらずGHの薬理学的影響でインスリン感受性が低下するが,治療終了後は速やかに改善する.GH治療終了後の成人で約30歳までの経過が報告されており,GH治療の有無でSGA性低身長症の代謝,心血管疾患発症リスクなどに有意差はなく,GH治療は安全に行われていると考えられる.

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