特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅱ.X線診断 A.単純X線診断(正常像と異常像)
胸部:air leak syndrome
細井 健一郎
1
HOSOI Kenichiro
1
1杏林大学医学部小児科
キーワード:
気胸
,
縦隔気腫
,
呼吸困難
,
胸腔穿刺
,
デクビタス
Keyword:
気胸
,
縦隔気腫
,
呼吸困難
,
胸腔穿刺
,
デクビタス
pp.391-395
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001883
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はじめに
air leak syndromeは一生のうち新生児期に最も多く発症し,全正期産児の1~2%に発症するとされている。在胎週数が早いほどその発生率は上昇し,Vermont-Oxford Networkデータベース(1999年)によると,極低出生体重児の6.3%,出生体重501~750 gの15%にair leakが認められたと報告されている1)。air leak syndromeには,気胸,縦隔気腫,間質性肺気腫(pulmonary interstitial emphysema:PIE),さらに頻度は低いが心囊気腫,気腹や皮下気腫などが含まれる。自然発生的に生じることもあるが,胎便吸引症候群(meconium aspiration syndrome:MAS)や呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS),肺炎,横隔膜ヘルニア,肺低形成などの肺疾患に続発することが多い。陽圧換気が必要な病態はリスクとなるが,RDSなどにおけるサーファクタントの気管投与はair leak syndromeの発生を減少させる2)。一方,在胎39週未満での選択的帝王切開はair leak syndromeの発症リスクとなる3)。
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