特集 ウォーター・ウォーズ—カラダの中の“水”と病気
【疾患別各論〜レアな疾患群】
❽capillary leak syndrome(Clarkson's syndrome)
小原 佐衣子
1
1国立病院機構災害医療センター 救命救急科
キーワード:
capillary leak syndrome
,
Clarkson's syndrome
,
低アルブミン血症
,
血液濃縮
,
ショック
Keyword:
capillary leak syndrome
,
Clarkson's syndrome
,
低アルブミン血症
,
血液濃縮
,
ショック
pp.520-521
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350050520
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
CASE 50歳、男性
既往歴・家族歴:特記事項なし。
現病歴:来院2日前から発熱、咳嗽、鼻汁あり。その後、全身倦怠感、両下肢の浮腫が出現し体動困難となったため救急要請した。来院時、GCS 14(E3V4M6)、血圧測定不能、心拍数100回/分であった。全身に圧痕性浮腫あり。血液検査では低アルブミン血症を伴う血液濃縮(Hb 24.5g/dL、Alb 1.4g/dL)の所見を認めた。循環血液量減少性ショックと判断し、大量輸液、アルブミン製剤、ノルアドレナリンの投与を行った。単純CT検査では左上肢、両下腿の皮下および筋肉間に液体貯留や脂肪織濃度の上昇を認めた(図1)。第2病日、左下腿コンパートメント症候群を合併し、減張切開を行った。第3病日より循環動態は改善し、第12病日に退院となった。血清蛋白分画ではIgG-κ型のM蛋白血症を認め、capillary leak syndromeと診断した。
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.