増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
呼吸器系
気管支肺異形成(慢性肺疾患)を合併している児で呼吸状態が増悪するのはどのような病態が関与しているのか
佐藤 雅彦
1
SATO Masahiko
1
1東京女子医科大学八千代医療センター新生児科
キーワード:
新生児呼吸窮迫症候群
,
気管支肺異形成
,
old BPD
,
new BPD
Keyword:
新生児呼吸窮迫症候群
,
気管支肺異形成
,
old BPD
,
new BPD
pp.400-403
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001327
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Old BPDとnew BPD
1967年Northwayらは,新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS)を併発し,高濃度酸素投与や人工換気療法を要した早産児において,その後慢性的に経過する呼吸障害を,臨床経過,胸部X線所見,病理学的考察から4期に分類し,気管支肺異形成(bronchoplumonary dysplasia:BPD)として報告した1)。最終的な病理像は,肺の激しい炎症と,その治癒過程(気腫変化と線維化)であり,高濃度酸素曝露と人工呼吸器関連肺傷害(ventilator-induced lung injury:VILI)によるものと考えられた。
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