特集 楽しくお産・楽しく育児―身体的・精神的・社会的(Biopsychosocial)な課題からみた出産・育児支援
精神的課題
産後うつ
佐藤 昌司
1
SATOH Shoji
1
1大分県立病院
pp.1750-1754
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001198
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
女性のライフサイクルのなかで,妊娠・出産および育児期は,内分泌的均衡の変動など生理学的変化と,心理社会的状況の変化とが同時に起こり,メンタルヘルスに不調をきたしやすい時期である。その病像も,軽症で一過性の場合から重症までと幅広く,身体的疾患のみならず,妊産婦の精神障害を見逃さないこともまた,我々産婦人科医の重要な責務である。特に,産褥期の精神障害は,1か月健診を終えて医療機関とのつながりが途切れた時期に発症することも多いため,妊婦健康診査,分娩のための入院時,さらには産褥期にわたって精神障害発症のリスクを念頭に置き,そのサインを見逃さぬよう注意をはらうべきである。このような視点から,本稿では,産後うつ病に関して,発見と取り扱いのポイントに関して概説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.