特集 楽しくお産・楽しく育児―身体的・精神的・社会的(Biopsychosocial)な課題からみた出産・育児支援
身体的課題:母体
骨盤ケア
山崎 愛美
1
YAMASAKI Kanami
1
1よしかた産婦人科 産前産後リハビリテーション外来
pp.1698-1702
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001186
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
産前産後の腰痛を含む骨盤帯痛は多くの妊産婦が経験する。腰痛発症の割合は妊娠末期で68%,産褥期で45%,産後3年経過しても17%が継続するという報告もある1)。腰痛はADLやQOL低下を招く運動器症状であるが,妊娠・出産に起因するものは「仕方がない」ものとして捉えられ,適切なケアを受けられない妊産婦も多い。産婦人科診療のなかでの介入は難しい現実もあるが,妊婦健診や1か月健診の際に,痛みの要因を簡便に識別したうえで,適した育児動作指導を行うだけでも症状軽減や痛みの予防になることも多い。今回は,理学療法士の視点から産婦人科の臨床場面でも取り入れやすい,腰痛,骨盤ケアについて解説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.