演習・放射線診断学 CTスキャン読影のコツ・11
骨盤
吉川 宏起
1
Koki YOSHIKAWA
1
1東京大学医学部・放射線科
pp.764-773
発行日 1980年5月10日
Published Date 1980/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216529
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はじめに
骨盤腔は解剖学的にほぼ左右対称,かつ一定の構造をしている,また胸腹部と異なり,心拍動,呼吸,消化管蠕動によるmotion artifactが少なく,コンピュータ断層(CT)に有利な条件を有している,しかし,CTが骨盤内臓雛の診断上,従来の倹査(腹部単純撮影,断層撮影,経静脈性排泄性尿路造影,超音波断層回エコー),骨盤動脈造影,逆行性膀胱造影,子宮卵管造影など)による情報に付加する新たな情報を提供するのでなければ,検査を施行する意義は失われる.
今回は骨盤腔の腫瘤性病変を中心に症例を供覧し,CTによる診断,その限界について解説を加え,CTの適応について述べることにする.なお,骨盤の骨病変については今回は省略する.
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