特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 産科編
各論
3度,4度会陰裂傷における注意点
宮川 智幸
1
MIYAKAWA Tomoyuki
1
1宮川医院
pp.975-978
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000981
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はじめに
会陰裂傷は経腟分娩において日常よく遭遇する合併症である。会陰裂傷のなかで,外肛門括約筋や腟直腸中隔の一部が損傷・断裂したものを3度裂傷,肛門粘膜から直腸粘膜の損傷を伴うものを4度裂傷という。3度,4度裂傷を見落とした場合や裂傷の縫合が不十分であった場合には,便失禁・性交障害・直腸腟瘻・会陰腟瘻・性器脱を発生する可能性がある。経腟分娩後は産道裂傷の有無を十分に確認し,適切な裂傷の縫合が求められる。
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