特集 今,改めて考える,流産,死産,新生児死亡
各論
出生前遺伝学的検査と遺伝カウンセリング
山下 隆博
1
YAMASHITA Takahiro
1
1総合母子保健センター愛育病院産婦人科
pp.785-788
発行日 2023年5月10日
Published Date 2023/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000927
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出生前遺伝学的検査の登場と国内の状況
わが国では羊水検査が1960年代に導入され出生前検査の歴史が始まった。そして約30年前に母体血清マーカーテスト(トリプルマーカー,クアトロテスト)が始まり,非侵襲的検査の幕が開いた。染色体異常の出生前遺伝学的検査が採血だけで手軽に行えることの是非に関して議論を呼び,1999年厚生科学審議会により「医師が妊婦に対して,本検査の情報を積極的に知らせる必要はない」という見解が出された。マススクリーニング的に広まることを抑制する意図があったと思われるが,医療側が情報提供をしなければ妊婦側は知らないままである,という前提が成り立つ時代でもあった。
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