特集 少産時代に対応する「働き方改革」と医療施設
新生児診療施設での対応
少子化時代の周産期専門医に必要な研修とは?
河井 昌彦
1
KAWAI Masahiko
1
1京都大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター
pp.266-268
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000795
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はじめに
出生数の減少が問題視され始めて久しいが,その傾向は歯止めが効かない状況となり,年間80万人に近づいている。これは,周産期専門医を目指す研修医にとっても深刻な問題であり,今後の周産期医療に対してきわめて重大な影響を及ぼしつつある。周産期専門医になるためには代表的な症例を経験することが欠かせないが,経験すべき症例を十分に確保することが困難になりつつあるのだ。とりわけ,少子化が急速に進行している地域では,この問題は切迫しており,現状を受けて,専門医研修に必要な症例要件を緩和すべきだという意見がある。しかし,本当にそれでよいのだろうか? 筆者は2022年まで日本周産期・新生児医学会の教育研修委員会・専門医試験委員会の委員長を務めさせてもらっていたため,その際の経験をもとに私見を述べさせていただく。
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