増刊号 191の疑問に答える周産期の栄養
新生児・乳児の栄養
8.食物アレルギー
1)妊娠中・授乳中の食事と児のアレルギーの関係
那須 ゆかり
1
,
成田 雅美
1
Nasu Yukari
1
,
Narita Masami
1
1杏林大学医学部小児科学教室
キーワード:
母乳栄養
,
食物制限
,
ビタミンD
,
n-3系不飽和脂肪酸
,
プロバイオティクス
Keyword:
母乳栄養
,
食物制限
,
ビタミンD
,
n-3系不飽和脂肪酸
,
プロバイオティクス
pp.711-713
発行日 2022年11月18日
Published Date 2022/11/18
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000677
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はじめに
アレルギー疾患の有病率は近年増加傾向である。アレルギー疾患の発症の原因としては単一因子ではなく,遺伝的因子,環境因子,フィラグリン遺伝子異常などさまざまである。何らかのアレルギー疾患の治療に難渋している同胞がいる場合,食事や症状への対応で苦労や心配をしている保護者にとっては早期予防に関して特に関心が強い。しかし,最近ではインターネットで簡単に情報を得やすい一方,不適切な情報に振り回されることも少なくない。なかにはその情報をもとに自己判断で対応したため,重症化し病院へ紹介受診になることもしばしば見受けられる。そのため公的機関や医療機関を中心に適切な情報提供をする必要がある。乳児期は食物アレルギー,アトピー性皮膚炎を発症することが多い時期であり,特に母体の食事内容,授乳などがさまざまなアレルギーに関連する研究結果が集積している。ここでは,妊娠中・授乳中の食事と児のアレルギーについてこれまでの報告を踏まえて解説する。
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