特集 知っておくべき周産期・新生児領域の遺伝学的検査を展望する
総論
遺伝学的検査の目的
酒井 規夫
1
SAKAI Norio
1
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻生命育成看護科学講座 成育小児科学
pp.637-640
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000151
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はじめに
周産期・新生児領域におけるさまざまな疾患において,遺伝学的検査を実施する機会は近年ますます増えてきている。それは周産期・新生児期における疾患のなかで,胎内感染,新生児仮死,脳性麻痺,心疾患などももちろん対応が必要であるが,医療の進歩によって新生児死亡はかなり減少しており,まだ残っている大きな疾患群が遺伝性疾患,染色体異常と考えられるからである。遺伝性疾患の種類は多く1万種類以上といわれているし,染色体異常も最近微細欠失症候群がどんどん見つかるようになってきており,その種類も非常に多彩となっている。
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