特集 母体救急医療・母体救命の進歩
各論
主な母体救急疾患とその対応 Spontaneous hemoperitoneum in pregnancy(SHiP)
田中 博明
1
,
萩元 美季
1
,
田中 佳世
1
,
池田 智明
1
TANAKA Hiroaki
1
,
HAGIMOTO Miki
1
,
TANAKA Kayo
1
,
IKEDA Tomoaki
1
1三重大学医学部産科婦人科
pp.284-286
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000065
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はじめに
Spontaneous hemoperitoneum in pregnancy(SHiP)は,18世紀後半に初めて報告され,外傷,子宮破裂,卵巣出血,異所性妊娠を除く,妊娠中または産褥期(42日以内)の急性腹膜内出血と定義される疾患である1,2)。SHiPは,母体死亡,周産期死亡の原因になることが報告されているが,これまでのSHiPに関する報告の多くは症例報告であった。まとまった報告としては,それらの症例報告をまとめたliterature reviewと,わが国で実施された悉皆調査がある。それら2つの報告について解説し,典型的な自験例を示したうえで,SHiPに対する対応について述べていきたい。
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