特集 細菌,ウイルス,真菌―微生物学のパラダイムシフト―
【頭頸部癌・ウイルス関連腫瘍】
ヒトパピローマウイルス関連中咽頭癌の最新知見
佐藤 満雄
1
,
安松 隆治
1
Mitsuo Sato
1
,
Ryuji Yasumatsu
1
1近畿大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
HPV
,
HPV関連中咽頭癌
,
de-escalation
Keyword:
HPV
,
HPV関連中咽頭癌
,
de-escalation
pp.311-314
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000002042
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はじめに
Human papillomavirus(HPV)の感染により発症するHPV関連癌の大部分は中咽頭癌と子宮頸癌である。近年,子宮頸癌はワクチンの普及により先進国で減少傾向を示しており,これに伴い中咽頭癌が最も代表的なHPV関連癌となり,今後も増加が予想されている1)。子宮頸癌は95%以上がHPV関連癌であり,多数のHPVタイプが関与しており,タイプ別に治療戦略の層別化が提唱されている。一方,わが国における中咽頭癌の約50%がHPV関連であり,その約90%は高リスク型であるHPV16に起因する2)。HPV関連中咽頭癌はHPV非関連癌に比して化学放射線療法に対する感受性が高く,予後も有意に良好であることから,独自のstagingが提唱され,治療層別化が試みられている。しかし,20〜30%の症例では治療抵抗性を示すことが報告されており3),このようなheterogeneityに対する治療戦略の確立が今後の課題である。さらに,発症年齢の中央値が50歳代であることから,良好な治療成績を維持しつつ,QOLを確保するための治療強度調整(de-escalation)が求められており,リスク層別化による適切な治療戦略の構築が急務である。本稿では,予後リスク層別化の試みと適切なde-escalationに関する最新知見を概説する。

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