特集 細菌,ウイルス,真菌―微生物学のパラダイムシフト―
【鼻副鼻腔領域】
急性鼻副鼻腔炎に対する抗菌薬の意義
月舘 利治
1
Toshiharu Tsukidate
1
1JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科
キーワード:
急性鼻副鼻腔炎
,
抗菌薬
Keyword:
急性鼻副鼻腔炎
,
抗菌薬
pp.274-277
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000002031
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はじめに
急性鼻副鼻腔炎は,「急性に発症し,発症から4週間以内の鼻副鼻腔の感染症で,鼻閉,鼻汁,後鼻漏,咳嗽といった呼吸器症状を呈し,頭痛,頰部痛,顔面圧迫感などを伴う疾患」と定義される1)。初期の症状は,ウイルス感染によるものであり,そのほとんどは,通常10日間ほどで消退して治癒する(急性ウイルス性鼻副鼻腔炎)。発症数日後に細菌感染に移行すると,急性細菌性鼻副鼻腔炎を発症する。急性副鼻腔炎が増悪して炎症が周囲に波及すると,鼻性眼窩内合併症や鼻性頭蓋内合併症という重篤な合併症を引き起こす。抗菌薬は,急性鼻副鼻腔炎の保存的治療として選択されるが,すべての急性副鼻腔炎に対して投与する意義はなく,細菌感染が疑われるときのみに投与する意義がある。

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