特集 ますます必要になるかぜの専門知識
【小児のかぜのみかた】
せき型かぜ―急性気管支炎―
鈴木 法臣
1
,
守本 倫子
1
Suzuki Noriomi
1
,
Morimoto Noriko
1
1国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科
キーワード:
かぜ
,
急性気管支炎
,
ウイルス性
,
咳嗽
,
ホームケア
Keyword:
かぜ
,
急性気管支炎
,
ウイルス性
,
咳嗽
,
ホームケア
pp.1463-1466
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001876
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はじめに
厚生労働省による「抗微生物薬適正使用の手引き(第三版)」では,“風邪”や“感冒”として病院を受診する疾患を“急性気道感染症”とし,それをさらに米国内科学会(American College of Physicians)による分類に基づき,鼻症状(鼻汁,鼻閉),咽頭症状(咽頭痛),下気道症状(咳,痰)の3系統の症状によって,“感冒(非特異的上気道炎,普通感冒)”,“急性鼻副鼻腔炎”,“急性咽頭炎”,“急性気管支炎”の4病型に分類している(表1)1)。この分類は成人と学童以上の小児に対して採用され,学童未満の乳幼児では咽頭痛など症状の訴えが不確かであるため,“感冒・鼻副鼻腔炎”“咽頭炎”“クループ症候群”“急性気管支炎”“急性細気管支炎”に分類している。両分類において急性気管支炎の位置づけに大きな違いはない。

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