特集 小児日常診療でその薬を使うとき・使うべきでないとき
I 一般症状
9.かぜ症状と鎮咳薬
稲毛 康司
1
1日本大学 医学部小児科学系小児科学分野
キーワード:
Carbocysteine
,
咳嗽
,
かぜ
,
鎮咳剤
,
Mequitazine
,
禁忌(治療)
Keyword:
Antitussive Agents
,
Cough
,
Carbocysteine
,
Common Cold
,
Mequitazine
pp.1530-1531
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017086281
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かぜ症状では,咳嗽を伴うことが多い.さて,この咳嗽は下気道に原因があって生じるものではない.鼻汁によって誘発されたものであって,ごく自然な現象である.なかには,後鼻漏を伴い咳き込みが顕著になることもある(鼻副鼻腔炎:rhinosinusitis).鼻汁を抑えれば咳嗽もなくなる.要するに鎮咳薬は必要ではないと考えたい.短絡的に咳をするから鎮咳薬を処方するというのでは,余計な治療をすることになる.末梢性鎮咳薬である気管支拡張薬を処方するのも本末転倒である.
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