特集 花粉症の疑問に答える
【治療】
初期療法はなぜ効果があるのか?
亀倉 隆太
1
Ryuta Kamekura
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
花粉症
,
初期療法
,
アレルギー性鼻炎
,
免疫学的機序
Keyword:
花粉症
,
初期療法
,
アレルギー性鼻炎
,
免疫学的機序
pp.1225-1227
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001803
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はじめに
日本における花粉症の有病率は年々上昇を続けており,2019年の全国疫学調査では人口の42.5%が罹患していると報告されている1)。この割合は過去20年間で約2.5倍に増加しており,花粉症はもはや国民病と呼ばれるにふさわしい疾患となっている。主たる原因抗原はスギ花粉であり,その他にもヒノキ,イネ科植物,ブタクサ,ヨモギなどが代表的な抗原として知られている。地域によっては特異的な花粉症の分布も認められ,北海道ではシラカンバ花粉症の頻度が高い。近年の地球温暖化や都市化による環境変化は,花粉の飛散量や飛散期間の延長に影響を及ぼし,これが花粉症の有病率および重症度の増加に寄与していると考えられている。

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