輪状甲状靱帯（膜）穿刺・切開術と気管切開術

はじめに

　今回取りあげる輪状甲状靱帯（膜）穿刺・切開術と気管切開術は，いずれも外科的気道確保として用いられる術式である。当該領域に関連するテキスト^1）やマニュアル^2）にあるように，その適応は種々存在する。本特集号は，「外来で必要とされる知識や手技」であることから，本稿では，耳鼻咽喉科の外来診療の場で想定される，分泌物過多や気道防御不能，あるいは上気道閉塞による気道緊急時を想定し，これらに適応のある手技について述べる。