特集 処置や手術に必要なインフォームド・コンセント
【総論】
小児や自己判断の難しい患者に対するインフォームド・アセント
今村 香菜子
1
,
守本 倫子
1
Kanako Imamura
1
,
Noriko Morimoto
1
1国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科
キーワード:
インフォームド・アセント
,
プレパレーション
,
子どもの発達
Keyword:
インフォームド・アセント
,
プレパレーション
,
子どもの発達
pp.510-512
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001574
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はじめに
忙しい外来診療のなかでの子どもの診療では,どうしても保護者との話が多くなってしまい,患児本人と会話する機会が少なくなりがちである。子どもは,認知や思考の能力が発達過程にあり,大人と同じように説明や内容を理解して選択・同意・拒否を行うことができない。しかし,1989年に国際連合で採択された子どもの権利条約には,「子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ,大人はその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します」1)と記されている。医療の場でも,子どもが自分の症状や気持ちを訴える権利,病気や必要な治療について知る権利があると解釈されている。

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