今月の主題 小児の成長・発育と臨床検査
話題
子どもたちへのインフォームド・アセント
藤井 裕治
1
,
本郷 輝明
1
Yuji FUJII
1
,
Teruaki HONGO
1
1浜松医科大学小児科
キーワード:
インフォームド・アセント
,
小児
,
shared information
,
shared decision-making
Keyword:
インフォームド・アセント
,
小児
,
shared information
,
shared decision-making
pp.695-699
発行日 2004年6月15日
Published Date 2004/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100521
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1. はじめに
もし医療者が何も説明せず抵抗する子どもを取り押さえて,マルクやルンバールなどの疼痛を伴う処置を行ったとしたら,それが医療行為であったとしても,子どもたちにとっては『医療の名を借りた白衣の虐待』にほかならず,子どもたちに精神的トラウマとしていつまでも残る危険性がある(図1).「子どもだから説明しても理解できない」とか「子どもだから説明しても無駄である」と大人たちの勝手な判断で,自分の問題を自分で考える機会を奪い,不安や恐怖のなかに閉じ込めてはいないだろうか.イラストや平易な言葉を用いて,年齢や発達の程度に応じて病気や検査・処置の説明を行えば,病気を正しく理解し,医療者を信頼して自ら進んで検査や処置を受けようとする積極性が生まれてくる1,2).
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