特集 鼻科診療の論点-異なる立場の対話とディベート-
【さまざまな治療法の中から】
嗅覚障害に対する治療―手術療法の立場から―
乙田 愛美
1,2
,
小林 正佳
1
Ami Otoda
1,2
,
Masayoshi Kobayashi
1
1三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
2国立病院機構三重中央医療センター耳鼻咽喉科
キーワード:
嗅覚障害
,
嗅裂
,
内視鏡下鼻副鼻腔手術
Keyword:
嗅覚障害
,
嗅裂
,
内視鏡下鼻副鼻腔手術
pp.205-208
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001477
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はじめに
嗅覚障害は患者の生活の質の低下に大きく関わり,時に生命を脅かす危機の要因ともなり得る。2017年に作成された「嗅覚障害診療ガイドライン」では,嗅覚障害は病態別に気導性,嗅神経性,中枢性の3つに分類されている1)。そして,嗅覚障害の原因は慢性鼻副鼻腔炎,次いで感冒,頭部外傷の順に多いことが報告されている1)。通常手術治療が適用される嗅覚障害は,気導性嗅覚障害をきたしている慢性鼻副鼻腔炎症例である2)。多くの症例では保存的治療で改善がない場合に手術治療が検討される。
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