特集 伝音難聴の最新の診断と治療
【疾患別 最新の治療法】
耳硬化症治療のアップデート
西山 崇経
1
Takanori Nishiyama
1
1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
伝音難聴
,
耳硬化症
,
stapedotomy
Keyword:
伝音難聴
,
耳硬化症
,
stapedotomy
pp.101-104
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001444
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はじめに
耳硬化症は,アブミ骨周囲が進行性に硬化していく疾患であり,アブミ骨周囲の異常な骨代謝が原因と考えられている。症状としては,徐々に進行する両側難聴が典型的であるが,約30%は片側性の症例も存在する。聴力検査において,stiffness curveと呼ばれる緩徐に進行する低音部を中心とした混合性難聴や,Carhart notchと呼ばれる2000 Hzの見かけ上の骨導閾値上昇を特徴としている。耳硬化症の治療は,硬化したアブミ骨の可動性を改善させる手術療法と,硬化したアブミ骨による伝音難聴を補聴器などで補う非手術療法に分けられる。
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