連載
症例をどうみるか けいれん発作後に両側混合性難聴を呈した両側耳硬化症術後の1例
細谷 誠
1
,
大石 直樹
,
石川 雄惟
,
小川 郁
1慶應義塾大学 医学部耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
耳硬化症
,
難聴-機能性
,
難聴-両側性
,
純音聴力検査
,
脳幹聴覚誘発電位
,
自然耳音響放射
,
けいれん性発作
,
難聴-混合性
Keyword:
Audiometry, Pure-Tone
,
Hearing Loss, Functional
,
Hearing Loss, Bilateral
,
Seizures
,
Otoacoustic Emissions, Spontaneous
,
Evoked Potentials, Auditory, Brain Stem
,
Otosclerosis
,
Hearing Loss, Mixed Conductive-Sensorineural
pp.1021-1024
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2019350070
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症例は50代女性で、両側耳硬化症に対して両側アブミ骨手術を行い、当院で定期フォローされていた。1週間前に職場でけいれん発作を起こし、他院救急外来に救急搬送された。けいれん発作後、自覚的に両側難聴が続いたため、ステロイド点滴加療を強く希望し、当院耳鼻咽喉科外来を受診した。けいれん発作前の当院最終受診時の検査結果と比較すると、気骨導差の増悪を認めるとともに、骨導聴力、気導聴力ともに閾値の上昇を認めた。入院後も自覚症状の増悪に伴い、両側の混合性難聴が進行した。入院翌日に緊急で行ったABRでは、両側とも40dBでV波を認め、両側の機能性難聴と診断された。5日間の入院後、退院となった。退院後、自覚症状、検査所見とも改善傾向にあり、今回のエピソードの発端となったけいれん発作の原因は不明であった。
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