TEESのための画像診断

はじめに

　TEES（transcanal endoscopic ear surgery）は顕微鏡下の手術と比較して広角な視野により死角が少なくなること，接近による拡大視が可能となることなどにより，詳細に解剖を理解しながらの手術が可能である。一方で側頭骨は中頭蓋窩の位置が低い症例や，高位頸静球症例などの正常バリエーションが多く，髄液漏や大量出血などの思わぬ副損傷を引き起こしうるため，手術前の画像評価による危険構造物の理解は依然として重要である。また，真珠腫症例においてはTEESだけで摘出可能か，もしくはTEESと乳突削開術の併用が必要かの手術前のプランニングが手術時間の短縮に繋がる。