特集 てこずった症例・難治症例にどう対応するか
鼻領域
反復性鼻出血に対し診断が遅れ不十分な止血処置を繰り返されていたオスラー病症例
寺田 哲也
1
Tetsuya Terada
1
1大阪医科薬科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
反復性鼻出血
,
オスラー病
,
止血方法
,
電気焼灼術
Keyword:
反復性鼻出血
,
オスラー病
,
止血方法
,
電気焼灼術
pp.1031-1034
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症:HHT)に伴う鼻出血の止血は耳鼻咽喉科専門医でも難渋する場合が少なくない。オスラー病と診断され,オスラー病の鼻出血の特性または通常の鼻出血との相違を理解した上で止血処置を行う場合と,反復性の鼻出血としてオスラー病の診断に至ることなく頻回なる電気凝固や止血用資材を用いた処置を行う場合では,その治療効果に大きな隔たりがある。オスラー病による鼻出血の経験値は耳鼻咽喉科医でも一般的には低く,オスラー病の診断に至ることなく難治性の繰り返す鼻出血として対応されていることは少なくない。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.