特集 てこずった症例・難治症例にどう対応するか
鼻領域
線毛機能不全症候群を疑った症例
中澤 良太
1
,
物部 寛子
1
Ryota Nakazawa
1
,
Hiroko Monobe
1
1日本赤十字社医療センター耳鼻咽喉科
キーワード:
滲出性中耳炎
,
線毛
,
遺伝学的検査
,
電子顕微鏡検査
Keyword:
滲出性中耳炎
,
線毛
,
遺伝学的検査
,
電子顕微鏡検査
pp.1022-1025
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001240
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はじめに
線毛機能不全症候群(primary ciliary dyskinesia:PCD)は主に常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)形式をとる先天性疾患の1つで線毛の構造異常・機能異常により上気道,下気道の慢性感染症や新生児呼吸窮迫症候群,内臓逆位や不妊症などを呈する。耳鼻咽喉科領域においては,幼少期からの難治性副鼻腔炎や滲出性中耳炎を特徴とするが,症状の程度はさまざまであり,また専門的な検査を要することから早期に診断するのは容易ではない。
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