特集 新たに注目される頭頸部癌治療
分子標的治療薬
TRK阻害薬
本間 義崇
1
Yoshitaka Honma
1
1国立がん研究センター中央病院頭頸部・食道内科
キーワード:
頭頸部癌
,
分子標的治療薬
,
TRK阻害薬
,
ラロトレクチニブ
,
エヌトレクチニブ
Keyword:
頭頸部癌
,
分子標的治療薬
,
TRK阻害薬
,
ラロトレクチニブ
,
エヌトレクチニブ
pp.1371-1373
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000847
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NTRKとその遺伝子異常
Neurotrophic tropomyosin-receptor tyrosine kinase(NTRK)遺伝子は,トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)をコードする遺伝子である。TRK A・B・Cは,リガンドである神経栄養因子(神経成長因子,脳由来神経栄養因子およびニュートロフィン)と結合することで,細胞内にシグナルを伝達し,中枢および末梢における神経細胞の分化および生存維持に関わっている1,2)。それぞれのTRKに対応する生体内の役割としては,TRKA(コード遺伝子:NTRK1)は疼痛・体温調整,TRKB(コード遺伝子:NTRK2)は運動・記憶・感情・食欲・体重のコントロール,TRKC(コード遺伝子:NTRK3)はproprioception,などが挙げられている3,4)。
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