特集 高齢者の疑問にどう答えるか
喉頭・気管・嚥下領域
最近声がだんだんと細くなって,張りのある声を出したいのですが,いい方法はありますか?
細川 清人
1
Kiyohito Hosokawa
1
1大阪大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
キーワード:
高齢者
,
声帯萎縮
,
音声訓練
,
声帯内注入術
Keyword:
高齢者
,
声帯萎縮
,
音声訓練
,
声帯内注入術
pp.1106-1108
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000756
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はじめに
一般に,“張りのある声” とは力強く響きがあり明瞭性の高い声のこと,“細い声” とはその反対で力強さや厚みがない声のことを指していると考えてよい。“張りのある声” が出るには,発声時の声帯振動において声門の開閉が適切な比率で行われるのみではなく,そのような声帯振動を励起するに足りる発声時の呼気流や,内喉頭筋および外喉頭筋の適切な緊張が必要である。しかしながら,加齢による声帯粘膜および声帯筋の変化に伴い,適切な呼気や筋緊張のコントロールを失い,その結果 “張りのある声” が出なくなる。
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