特集 高齢者の疑問にどう答えるか
耳領域
中耳換気チューブはいつまで入れておけばいいのでしょうか?
中西 啓
1
Hiroshi Nakanishi
1
1浜松医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
キーワード:
高齢者
,
中耳換気チューブ
,
滲出性中耳炎
,
耳管機能
Keyword:
高齢者
,
中耳換気チューブ
,
滲出性中耳炎
,
耳管機能
pp.952-954
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000710
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はじめに
中耳換気チューブ(以下チューブと略す)は,慢性的に中耳腔に液体が貯留して保存的治療で改善しない際に,鼓室内を含気化するために留置される。また,慢性的に中耳腔の陰圧が続いて鼓膜に病的変化が生じた際に,中耳腔の陰圧を解除するために留置される。中耳腔の液体貯留を改善するためにチューブを留置する疾患には,滲出性中耳炎,コレステリン肉芽腫などがある。一方,中耳腔の陰圧を解除するためにチューブを留置する疾患には,鼓膜アテレクターシス・癒着性中耳炎,鼻すすりを止められず鼓膜に陥凹性変化を生じた耳管閉鎖不全などがある。これらの疾患以外にも,チューブは,保存的治療に抵抗する難治性急性中耳炎例やメニエール病例1)において留置されることがある。
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