特集 コロナ時代の新たな耳鼻咽喉科診療
パンデミックにおける耳鼻咽喉科医の役割
耳鼻咽喉科医だからできるCOVID-19診療
細谷 誠
1
Makoto Hosoya
1
1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
耳鼻咽喉科
Keyword:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
耳鼻咽喉科
pp.37-40
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000429
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,炎症およびそれに伴う凝固系の亢進を背景として全身に多彩な症状をきたしうる。中でも呼吸器・上気道系や神経系に対する影響が大きく耳鼻咽喉科分野が診療を担うべき症状は多い(図1)。咳や咽頭痛,鼻閉・鼻汁などの一般的な感冒様症状に加えてCOVID-19では特に嗅覚障害と味覚障害が多いことが知られている。その他,本疾患においては,口内炎や舌炎などの口腔内症状,浮動性めまいが生じることが知られている。その他にも,急性感音難聴や回転性めまい・顔面神経麻痺のリスクが増加する可能性が指摘されており検討がすすめられている。COVID-19に関しては治療や検査に関連して生じる症状・合併症,生活環境や社会行動様式の変化によって生じた諸症状に対しても耳鼻咽喉科医の果たしうる役割は大きい。
![](/cover/first?img=ohns.0000000429.png)
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.