特集 メニエール病とその周辺疾患
メニエール病関連疾患の最新知見
前庭性片頭痛
五島 史行
1
Fumiyuki Goto
1
1東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
前庭性片頭痛
,
前庭誘発筋電位
,
メニエール病
,
リハビリテーション
Keyword:
前庭性片頭痛
,
前庭誘発筋電位
,
メニエール病
,
リハビリテーション
pp.1359-1363
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000345
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はじめに
メニエール病と類似する疾患として近年注目されている疾患に “前庭性片頭痛” がある。メニエール病も片頭痛と関連が深いものである。めまいと片頭痛の関係は古くから指摘されていた。国際的な診断基準としては国際頭痛分類第3版(ICHD-3)ではじめて付録(appendix)の中に片頭痛が原因として起きるめまいとして前庭性片頭痛(vestibular migraine:VM)の診断基準が報告された(表1)。類似疾患として脳幹性前兆を伴う片頭痛(以前の脳底型片頭痛,表2)がある。脳幹性前兆を伴う片頭痛では片頭痛の前兆として可逆性脳幹症状を認めるものであるが,その前兆として構音障害,回転性めまい,耳鳴,難聴,複視,感覚障害に起因しない運動失調,意識レベルの低下の2項目を満たすことを条件としている。現時点では前庭性片頭痛は付録にとどまり脳幹性前兆を伴う片頭痛は正式な診断基準に収載されているという違いがある。
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