特集 頭痛診療のパラダイムシフト
前庭性片頭痛の疾患概念と治療戦略
古和 久典
1
,
中野 俊也
2
1国立病院機構松江医療センター脳神経内科 副院長
2国立病院機構松江医療センター脳神経内科 診療部長
キーワード:
国際頭痛分類付録
,
めまい(感)
,
脳幹性前兆を伴う片頭痛
,
良性発作性めまい
,
メニエール病
Keyword:
国際頭痛分類付録
,
めまい(感)
,
脳幹性前兆を伴う片頭痛
,
良性発作性めまい
,
メニエール病
pp.29-33
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.09_0029-0033
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片頭痛とめまいとの関連性については以前から注目されており,片頭痛関連めまい,片頭痛関連前庭障害,片頭痛性めまいなどの呼称で報告がなされてきた。前庭性片頭痛という用語が徐々に周知され浸透していくなかで,2004年に前庭性片頭痛の診断基準が提案され1),2012年に国際頭痛学会とBárány Society(国際平衡医学学会)の合意により,片頭痛の一型として前庭性片頭痛の診断基準が定義された2)。2013年に公開された国際頭痛分類第3版β版[International Classification of Headache Disorders 3rd Edition(beta version):ICHD-3b]において,その付録(Appendics)に前庭性片頭痛(vestibular migraine)の診断基準と種々の問題点が掲載され3)4),2018年に上梓された国際頭痛分類第3版(ICHD-3)に付録のまま継承されている5)6)。今後の症例集積と病態解明に向けた検討が待たれている状況にあるといえる。本稿では,前庭性片頭痛の現状と取り巻く課題について概説する。「KEY WORDS」国際頭痛分類付録,めまい(感),脳幹性前兆を伴う片頭痛,良性発作性めまい,メニエール病
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