今月の主題 放射線障害
解説
腸管の放射線障害
中野 隆史
1
,
荒居 龍雄
1
Takashi NAKANO
1
,
Tatsuo ARAI
1
1放射線医学総合研究所病院部
キーワード:
小腸
,
腸上皮
,
放射線障害
,
放射線治療
Keyword:
小腸
,
腸上皮
,
放射線障害
,
放射線治療
pp.1127-1131
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901246
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腸上皮は造血組織や皮膚組織と同様に細胞再生系(cell renewal system)の組織に属している.基底層における細胞分裂は比較的多く,細胞回転が急速であるため,放射線感受性が高い.哺乳動物では1回照射10Gy以上の線量を全身または小腸の大部分に照射された場合,下痢,脱水,敗血症などのいわゆる腸管死を起こす.20Gy以下では治療により回復可能であるが,30Gy以上照射されると回復不能な障害となる.〔臨床検査36(10):1127-1131,1992〕
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