特集 悪性か? 良性か? 開業医のためのがんの見つけ方
症状・所見からのアプローチ
下頸部腫脹―リンパ節転移,甲状腺,胸腔・腹腔からの転移などの鑑別
上田 勉
1
Tsutomu Ueda
1
1広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
下頸部腫脹
,
頸部リンパ節転移
,
頭頸部癌
,
Virchowリンパ節
Keyword:
下頸部腫脹
,
頸部リンパ節転移
,
頭頸部癌
,
Virchowリンパ節
pp.907-910
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000229
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はじめに
頸部腫脹をきたす疾患は先天性,炎症性,腫瘍性などさまざまな原因があるが,下頸部腫脹は,悪性腫瘍のリンパ節転移であることは稀ではなく,常にそのことを念頭に診察,精査をする必要がある。また,左静脈角付近のVirchowリンパ節転移は頭頸部癌の転移だけでなく,消化器癌などさまざまな部位からのリンパ節転移が見られる。そのため,詳細な悪性腫瘍の既往歴などの問診は診断に大変役立つ。更に,頸部腫脹が頸部リンパ節転移である場合は,頭頸部癌も含めて進行癌の状態であり,迅速に診断し,治療に結び付ける必要がある。
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