特集 悪性か? 良性か? 開業医のためのがんの見つけ方
症状・所見からのアプローチ
上咽頭腫瘤―がん,アデノイド遺残などの鑑別
近藤 悟
1
Satoru Kondo
1
1金沢大学医学系耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
上咽頭癌
,
アデノイド
,
Epstein-Barrウイルス
Keyword:
上咽頭癌
,
アデノイド
,
Epstein-Barrウイルス
pp.871-873
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000220
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はじめに
上咽頭は,鼻腔の深いところに位置し,前鼻鏡では詳細な観察はできない。従来は,経口的に後鼻鏡によって観察が行われてきたが,反射の強い症例などでは必ずしも観察は容易ではない。そのため,上咽頭の詳細な観察には,軟性内視鏡による観察が望ましい。しかし,本邦における上咽頭癌の発生頻度が低いため,十分な上咽頭の観察は省略されることも多く,病期が進行して初めて上咽頭に病変があることに気づくことも少なくない。本稿では,最初に上咽頭癌の疫学と要因,病態について全体像を述べ,上咽頭腫瘤を見つけた際にどのように対応していくか述べる。
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