特集 検査結果・検査報告書をどう読むか―感染症・生理機能検査編
感染症検査の結果を読む―治療への活用
肝炎ウイルス検査の結果の見方―術前肝炎ウイルス検査とステロイド投与前の検査―
持田 智
1
Satoshi Mochida
1
1埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
キーワード:
肝炎ウイルス検査
,
術前肝炎ウイルス検査
,
ステロイド投与前検査
Keyword:
肝炎ウイルス検査
,
術前肝炎ウイルス検査
,
ステロイド投与前検査
pp.407-410
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000101
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はじめに
WHOのFact Sheet(2021年7月27日)によると,B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)とC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)のキャリア数は,世界全体では2億9,600万人と5,800万人であり1,2),わが国での数はそれぞれ100万人,150万人と考えられている。HBVは既往感染例も含むと世界全体では20億人,わが国には1,000万人以上が感染していると推定され,特に高齢者での感染率が高い。HBVおよびHCVのキャリアは肝癌を併発するリスクがあり,早期に肝臓専門医に紹介して,抗ウイルス療法の適応を検討する必要がある。また,HBVに関しては,キャリアのみならず,既往感染例も免疫抑制・化学療法を実施するとウイルスが再活性化し,重症肝炎を発症する場合がある。このためガイドラインに準拠したスクリーニングとモニタリングが求められる。
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