巻頭言
地方における高齢者の慢性腎臓病を考える
荒木 信一
1
1和歌山県立医科大学腎臓内科学講座
pp.277-278
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002012
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高齢化社会の進行により,高齢の慢性腎臓病患者さんの数が増えてきている。私の外来の患者さんも70歳から80代が大多数であり,90代の方も少なくはない。しかし,多くの方がお元気である。もちろん,老年症候群やさまざまな併発症により,身体機能が衰えている患者さんもいらっしゃるが,私が幼少のころの80代の印象とは全く異なっており,少なくとも10歳はお若いと思う。しかしながら,腎機能は10歳若返えるというわけにはいかず,老化により一定の割合でその機能が低下していくため,高齢者が増えれば,必然的に慢性腎臓病の範疇に入る方が多くなる。
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