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特集 透析療法の課題,展望
各論
血液透析・血液濾過透析
長時間透析とオーバーナイト透析
Long hemodialysis and nocturnal hemodialysis
喜田 智幸
1
KITA Tomoyuki
1
1坂井瑠実クリニック
キーワード:
長時間透析
,
オーバーナイト透析
,
在宅血液透析
Keyword:
長時間透析
,
オーバーナイト透析
,
在宅血液透析
pp.60-63
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001744
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はじめに
透析医療がはじまったころに6~8時間であった血液透析時間は,透析機器の進歩により徐々に短くなり,現在は4時間が標準となっている。しかし,この間,透析患者の生存率はあまり改善していない1)。治療効果が同じであれば,透析による拘束時間は短いほうがよい。しかし多くの患者にとって,週3回,1回4時間の血液透析では,廃絶した腎機能の代行は不十分である。透析機器の進歩により血液から多くの水分と溶質を短時間で除去できるようになったが,細胞内から間質,血管外から血管内への水分・溶質移動速度は変わらない。身体内の水分・溶質除去速度にあわせて過剰水分・溶質を除去するには,透析時間を長くする必要がある。患者の生命予後,合併症予防のためには長時間透析が必要であるが,日中に患者の拘束時間を増やすことは,施設透析では困難である。患者,医療従事者の負担が比較的軽く,長時間透析を行う方法としては,在宅血液透析,施設深夜長時間透析(in-center nocturnal hemodialysis:INHD)がある。INHDは,わが国では施設オーバーナイト透析と一般的に呼ばれ,夜の20:00~23:00ごろに開始し,翌朝5:00~7:00ごろに終了する8時間前後の透析である。本稿では,在宅血液透析,施設オーバーナイト透析を含む長時間透析の利点,欠点,現況について概説する。
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