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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
VI.各論5:泌尿器疾患(診断と治療)
13.前立腺肥大症
Benign prostatic hyperplasia
大日方 大亮
1
,
高橋 悟
1
Obinata Daisuke
1
,
Takahashi Satoru
1
1日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科学分野
キーワード:
前立腺肥大症
,
泌尿器疾患
,
診断と治療
Keyword:
前立腺肥大症
,
泌尿器疾患
,
診断と治療
pp.475-480
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001651
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1 はじめに
前立腺は,精囊,精管膨大部,尿道球腺とともに男性の性付属器に分類される重要な器官で,精巣の成熟や精液の生成に寄与している。前立腺肥大症は,良性の過形成によって引き起こされる下部尿路機能障害の一種であり,尿道を取り巻く移行域に起因して発生する。この移行域の周囲背側には辺縁域が位置しており,良性過形成がこの領域からはじまると,尿道を圧迫し,排尿に関連する複数の症状や機能障害を引き起こす1)。この状態は,通常,前立腺の腫大と膀胱出口の閉塞を示唆する下部尿路症状(lower urinary tract symptom:LUTS)を伴う。前立腺肥大は,加齢とともに性ホルモン環境が変化することで生じると推測されている2)。膀胱出口部の閉塞は膀胱内圧の上昇を引き起こし,それが膀胱組織の不可逆的な萎縮につながり,最終的には逆流性腎症を通じて腎機能障害をもたらすことが示唆されている3)。
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