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特集 病理からせまる腎疾患の病因・病態解明
総論
脈管病変(動脈,静脈,リンパ管) 血管炎病変からの鑑別診断・病理診断
Differential diagnosis and pathology based on vasculitis lesions
兵頭 俊紀
1
HYODO Toshiki
1
1神戸大学医学部附属病院病理部・病理診断科
キーワード:
Chapel Hill Consensus Conference(CHCC)
,
ANCA
,
ANCA関連血管炎(AAV)
,
フィブリン
Keyword:
Chapel Hill Consensus Conference(CHCC)
,
ANCA
,
ANCA関連血管炎(AAV)
,
フィブリン
pp.383-390
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001458
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はじめに
腎臓は,糸球体含め多くのコンポーネントで多数の血管の集合から成る臓器である。血管炎の分類はChapel Hill Consensus Conference(CHCC)で提唱された,いわゆるChapel Hill分類が有名であり,現在は2012年の改訂版(CHCC2012)が頻用されている1)。原著において,この分類はアスペルギルス症や梅毒などの直接病原体が作用する感染性血管炎を除いた非感染性血管炎に対して,主要に傷害される血管のサイズや構造,機能に基づいた分類がなされている(図1)。ただし完全に相互排他的ではなく,異なるサイズの血管に影響を与え,overlap例も存在することは重要である。また,あくまで主として傷害される血管という定義に基づいた命名法であり,診断基準や分類基準を提供するものではない点が強調されている。なお,腎臓組織内に存在する血管は,CHCC2012ではいずれも小型血管に分類されており,理論上腎生検で遭遇する血管炎はすべて小型血管炎に相当し,糸球体も毛細血管として小型血管に含まれている。
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