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特集 病理からせまる腎疾患の病因・病態解明
総論
脈管病変(動脈,静脈,リンパ管) 他の血管病変(悪性腎硬化症,コレステロール塞栓症など)からの鑑別疾患・病理診断
Differential diagnosis and pathological diagnosis of other vascular lesions(malignant nephrosclerosis, cholesterol embolism, etc.)
伊吹 英美
1
IBUKI Emi
1
1香川大学医学部分子腫瘍病理学
キーワード:
悪性腎硬化症
,
悪性高血圧
,
コレステロール塞栓症
Keyword:
悪性腎硬化症
,
悪性高血圧
,
コレステロール塞栓症
pp.398-402
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001460
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はじめに
腎臓には,中型の筋型動脈である腎動脈から,毛細血管である傍尿細管毛細血管や直血管に至るまでさまざまなサイズの血管が含まれる。血液濾過を行う場である糸球体も,主に毛細血管から成る構造物であり,腎臓は血管の塊であるといっても過言ではない。腎生検の診断に際して糸球体病変に注意を取られがちであるが,血管病変の存在を見落としてはならない。腎生検で認められる血管病変としては,高血圧や加齢,高血糖などに伴う動脈硬化が一般的であるが,本稿では悪性腎硬化症とコレステロール塞栓を中心に,組織所見と鑑別疾患について述べる。
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