糖尿病性腎症研究のこれから

Future perspectives of research of CKD with diabetes

はじめに

　超高齢社会において，糖尿病（性）腎症（糖尿病関連腎臓病：腎症）の病態・病像は治療の進歩とともに多様化している。そのため，病態の理解とそれに基づく予防，診療は日常臨床において重要な課題である。新たに慢性腎臓病（chronic kidney disease：CKD）や2型糖尿病を伴うCKDに対して保険適用に加わった薬もあり，治療法の選択肢も増えている。克服に向けて，病態の理解を深め，いかに臨床に寄与する新たな診断法，治療法につなげていくか，さらなる展開が求められている。運動療法，食事療法などを含めたチーム医療の重要性も一層認識されている。本号では「糖尿病性腎症研究の最前線」として特集し，八面六臂の専門家から専門的見地に基づく最新情報を記載していただく。それに先立ち，筆者なりの「糖尿病性腎症研究のこれから」について述べたい。