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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅷ.腎移植関連
3.感染症 ①ウイルス感染症 HTLV-1(成人T細胞性白血病)
HTLV-1(Adult T cell lukemia/lymphoma)
島袋 修一
1
Shimabukuro Shuichi
1
1沖縄県立中部病院泌尿器科
キーワード:
HTVL-1
,
ATL
,
HAM
Keyword:
HTVL-1
,
ATL
,
HAM
pp.532-540
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001090
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1 病因・病態
ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型(human T cell leukemia virus typeⅠHTLV-1)は,成人型T細胞性白血病リンパ腫(adult T cell leukemia/lymphoma:ATL),HTLV-1 関連脊髄症(HTLV-1 associated myelopathy:HAM),HTLV-1ぶどう膜炎(HTLV-1 uveitis:HU)の病因ウイルスである。HTLV-1はレトロウイルスでヒトT細胞に感染する。このRNAウイルスは宿主細胞内でDNAに変換され(逆転写),ゲノム(DNA)にウイルス遺伝子が組み込まれる(プロウイルス)。HTLV-1感染者の血清中からはほとんどウイルスを検出できず,感染者のCD4陽性Tリンパ球より検出される。一度HTLV-1に感染すると自然にウイルスが消失することはないと考えられており,終生感染が持続する(キャリアになる)が,ほとんどが無症候で経過する。
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