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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅶ.泌尿器疾患
3.泌尿器癌 腎細胞癌,精巣腫瘍
Renal cancer and testicular tumor
大日方 大亮
1
Obinata Daisuke
1
1日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科学分野
キーワード:
腎細胞癌
,
精巣腫瘍
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
腎細胞癌
,
精巣腫瘍
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.460-463
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001076
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腎細胞癌
1 病因・病態
尿細管に由来する腎悪性腫瘍である。腎細胞癌の進行に関与する重要な遺伝子としてVHL遺伝子がある。細胞は低酸素状態になると低酸素誘導因子(hypoxia-inducible factor:HIF)を発現し,血小板由来増殖因子(platelet-derived growth factor:PDGF)や血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)を発現誘導し,結果として血管新生と細胞増殖が促進される。VHLはHIFの分解に関与しており,腎細胞癌の大部分を占める淡明細胞型腎細胞癌ではVHL異常を有しているためHIFが蓄積する1)。また,PI3K経路が標的とするmTOR(mammalian target of rapamycin)が活性化しており,細胞増殖やアポトーシスを抑制し,さらにHIFとも関与し,結果的に腫瘍進行が起きていることが明らかにされている(図1)2)。
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